2 取組み方針

(1)社会福祉協議会の使命

《地域福祉の推進を目的とする団体》

社会福祉協議会は、昭和26年の社会福祉事業法(現在の社会福祉法)に基づいて設置されています。今日では地域福祉の推進を図ることを目的とする団体として、地域における社会福祉に関する活動へ住民が参加するための援助や、社会福祉を目的とする事業に関する調査、普及、宣伝、連絡、調整および助成などの事業を行っています。

多賀町社会福祉協議会は昭和30年に町の合併とともに設立され、昭和41年10月からは社会福祉法人として、当時から生活困窮者対策を中心に地域福祉事業に取り組んできました。平成12年に介護保険制度が施行され、訪問介護事業や通所介護事業などを進めてきましたが、今後においてはもう一度、地域福祉の原点に返って地域福祉事業を重点的に行っていきます。

ほかにも地域の活動に対する協力、支援に努めるとともに、行政をはじめ社会福祉施設、福祉団体、地域、ボランティアとのネットワークづくりや広報などによる啓発活動など様々な活動を行っています。

また、社会福祉協議会が地域福祉を中核的な担い手として推進していかなければならないことから、関係機関、団体との連携、協力をもとに住民への啓発と理解を求めていくことが重要になってきています。

(参)社会福祉法109条第12項(資料編1)

(2)地域福祉の取組み方針

《福祉を取り巻く多賀町の現状をとらえる》

《地域から孤立しやすい人の見守り・生活支援が重要になる》

人口は7,669人で年々減少、世帯数は増加傾向

多賀町の人口の推移は、平成2年から今日までの25年間でおよそ17%減少し、平成27年には7,669人となっています。一方、世帯数は、増加傾向で平成27年は2,730世帯となっています。

年少人口率は12.9%、高齢化率は31.9%

0~15歳未満の年少人口の総人口に占める割合(年少人口率)は、平成27年は12.9%となっています。また、平成27年の高齢化率は、31.9%となっています。

多くの集落で人口が減少

平成2年から平成27年にかけて、47集落のうち42集落で人口が減少しており、特に山間地集落の減少率が大きくなっています。

人口の減少と高齢化がさらに進む見込み

将来の人口推計は、平成37年に人口が6,751人、高齢化率は37.2%と見込まれています。

約1割がひとり暮らし高齢者の世帯

平成22年の一般世帯数2,380世帯のうち高齢者がいる世帯は、1,482世帯で、全体の62.3%を占めています。全体の10.8%はひとり暮らし高齢者となっています。

ひとり親家庭世帯は増加傾向

ひとり親世帯の世帯数の推移では、母子世帯は平成12年が、父子世帯は平成7年が最も少なかったもののその後増加傾向を示し、平成22年には合わせて21世帯となっています。また、平成26年度滋賀県ひとり親家庭等生活実態調査では60世帯を超え、さらに増加するものと考えられます。

生活保護は10世帯ぐらいで推移

生活保護被保護世帯数は、平成12年度から増加傾向で、平成22年度、平成27年度はともに11世帯となっています。

障がいのある方は451人

平成27年の障がい者手帳所持者数は451人で、その内、身体障がい者手帳所持者が351人、療育手帳所持者が64人、精神障がい者保健福祉手帳所持者が36人となっています。

(参)人口・世帯の動き等の現状(資料編2)

《地域住民の参画により「共助」を実践》

地域福祉に取り組むにあたり、住民の自助努力と住民同士・地域での共助が行われ、自助や共助では対応しきれない部分を公的福祉サービスによる公助で補完するという原則を尊重します。

特に地域福祉活動計画は、「共助」を具体的に進めていくため、住民一人ひとりが地域における様々な課題に気づき、その解決や達成をめざす取組みについて考え、地域の社会資源を活用しながら、生活の困りごとを解決したり、ふれあい支え合いの仕組みづくりと心豊かな地域づくりを進めていきます。

そのために社会福祉協議会としては、継続的に安定した活動を実践するための体制を拡充するとともに、行政、関係機関、ボランティア団体、地域等と緊密な連携を図りながら様々な福祉活動を実践していきます。そして、行政や専門機関が扱うサービスだけではなく、地域住民がそれぞれの立場で参加・協力できるよう進めていきます。

(参)社会福祉法109条第12項(資料編1)

《地域住民・行政・社会福祉協議会等がそれぞれ役割を担う》

地域に暮らす、存在する、関わっている多くの主体が、それぞれの役割を担いながら、「共助」の仕組みづくりに参画して、地域福祉を実践します。

各主体の役割

地域・住民の役割

住民一人ひとりが地域福祉に対する意識を高め、地域社会の一員であることの自覚を持つことが大切です。そして、地域福祉の担い手として、自らがボランティアなどの社会活動に積極的に参加するなどの役割が期待されます。

また、困ったときはおたがいさまの精神で、支え上手、支えられ上手になることも必要です。

地域福祉団体、福祉サービス事業者の役割

民生委員児童委員をはじめとする地域福祉団体は、住民が安心して暮らすことができるよう、様々な支援を行う役割を担っています。また、ボランティア団体等、地域で様々な福祉活動を行っている団体と連携を図り、多様化する地域の福祉ニーズに対応する活動団体としての役割が求められます。

社会福祉事業者は、福祉サービスの提供者として、利用者の自立支援をはじめ、サービスの質の向上、事業内容やサービス内容の情報提供、また、その他サービス事業者等と連携して取り組むことが重要になります。

さらに、多様な福祉ニーズに対応するため、新しいサービスの創出や住民の福祉への参加支援、地域の一員として社会貢献活動などの実践による福祉のまちづくりへの参画に努めることが求められています。

社会福祉協議会の役割

社会福祉協議会は、本活動計画の根拠法である社会福祉法において、地域福祉の推進を図る中核として位置づけられており、地域福祉を進めることを使命とし、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らせるよう、福祉のまちづくりを進めていくための法人です。

そのため、行政と連携して本活動計画の推進を図るとともに、地域・住民や各種団体との調整役として大きな役割があります。

そこで、社会福祉協議会は、活動計画の中で各主体の具体的な取組み方針や活動指針を定め、地域福祉推進の先導役を果たしていきます。

行政の役割

行政では、社会福祉協議会、民生委員児童委員、集落、ボランティア団体、当事者団体などの特性や役割を踏まえながら、相互に連携し、地域の福祉活動を促進するための支援を行います。

行政の内部においては、保健・医療・福祉分野をはじめ、教育・防災・防犯・交通・住宅・環境・産業などの様々な分野に関係する各課との連携を図りながら、横断的な施策の推進に取り組みます。

(3)活動計画の重点施策

《地域福祉活動を推進する仕組みづくりと担い手の育成》

社会福祉協議会が地域福祉活動の中核的な担い手として推進するため、社会福祉協議会の事業と運営体制の拡充を図ります。

この活動計画では、社会福祉協議会と行政との連携や関係機関、福祉団体、地域等との協働で地域福祉活動を進めていくための仕組みづくりと担い手の育成を重点事項に定めて、安心で住みよい地域づくりをめざしていきます。

自助・共助・公助による地域福祉の推進


 最終更新日 2018年07月25日(水)